【News】御幸山中学校で防災授業
「防災サポーター制度」初の活動
災害時に役立つ情報学ぶ
御幸山中学校
3月13日、御幸山中学校で防災授業が行われた。
天白区役所を中心に、天白環境局と名古屋市上下水道局も協力し、5つの活動に分け災害時に役立つ授業を展開した。
また、天白区が名古屋市全域での展開に先駆けてモデル実施をしている「防災サポーター制度」の初の活動でもあった。「防災サポーター制度」とは、防災に関して地域と行政の橋渡し役として活動する人が登録し、地域防災活動の活性化を図る制度。今回は登録している名城大学の学生が参加し、授業のサポートを行った。
天白区役所が行ったのは段ボールジオラマを使った授業、災害時イベント対応ゲームと段ボールベッド・パーティション体験の3つ。
段ボールジオラマでは、段ボールで天白区の地形やマップを立体的に再現したジオラマを使い、自分の家や避難所の場所を探し災害時の被害状況を確認した。生徒からは地図が可視化されて分かりやすかった、との声もあった。
災害時イベント対応ゲームでは、災害時に停電やトイレなど避難所で起きうるさまざまな問題を、実際に学校に配備されている資機材を使って解決する方法を考えた。資料をもとに、各状況で使えるものを班で話し合い、答え合わせをして確認した。
段ボールベッド・パーティション体験では、段ボールベッドやパーティションを生徒だけで組み立て、実際にベッドに寝転んだりした。生徒らはベッドは寝心地がよくて、組み立てが簡単だったと初めての体験について意見を述べた。
天白環境局は災害時にトイレが使用できなくなった場合、マンホールの上に設置して使用する「下水直結式トイレ」の使い方を説明。また、災害時に貴重となる水を使わずに処理できることで便利な「凝固剤」も紹介し、生徒らは水を入れて固まった凝固剤を袋の上から触り、感触を確認した。
名古屋市上下水道局は災害時に蛇口から水が出なくなった場合の対応として、「地下式給水栓」の使い方を模型を使ってマンホールの開け方や水の出し方などを説明。話を聞いた後、生徒らは直接模型に触って確認する体験も行った。
最後に、天白区役所防災担当の黒田丈博さんは「他人任せではなく、どうやって助かるかを考えてほしい。今ある事実をしっかり捉えて、今できることを具体的に考えて行動してほしい。防災授業をきっかけに皆さんの命が助かれば」と生徒らに語りかけた。
防災授業を担当した木村信哉教諭は、「先生や大人がいなくても非常時に動けるように、助ける側にまわれるようになれれば」と授業の目的を話し、「知らないことばかりでしたが、自分が教師として災害時にどう動くかイメージできました。生徒らも一度学んでいれば記憶に残り、何か起きた時に引っ張り出せるのでは」と同授業を講評した。