【News】学生が運営する絵本サロンを一つ山で開設

地域活動の拠点となる場作りを目指して
学生が団地に小さな図書館を開設
名城大学 一つ山荘絵本サロン105

名城大学理工学部建築学科の谷田真准教授の研究室の学生らが運営する子育て支援スペース「一つ山荘絵本サロン105」が一つ山荘東 T-D棟105号に開設され、3月15日と16日に部屋開きをした。

現在の公共住宅団地は高齢単身者が増え、空き室が増えている。この状況を改善するため、名古屋市より谷田准教授へ相談が。そこで谷田准教授の研究室の学生らが、若い子育て世代が団地を訪れる機会を作るための絵本サロンの運営を行うことになった。
同プロジェクトは学生だけでなく、天白図書館の絵本や観葉植物などを扱うアペロヒューレ(=境根町)など、地域を巻き込んで進められた。

玄関から入ると広がる絵本の世界

玄関に入った瞬間からたくさんの絵本が目に入る。学生らが選んだ180冊の絵本が並べられ、1カ月毎に60冊が入れ替わる。絵本が並べられた棚は空間を仕切る役目や、親が離れた場所にいても隙間から子どもを見守ることができるようになっている。他にも子どもたちが座って絵本を読むのにちょうどいい高さの椅子や机がいくつも用意されている。

空間の仕切りにもなっている棚
秘密部屋のような空間や押し入れの本棚

棚や家具などは同研究室の卒業生で現在は大工をしている先輩に協力をしてもらって学生らも制作した。机の脚やカウンターなどに用途の違う素材を使うという遊び心も隠されている。

立ったまま会話を楽しめるカウンター
家の下を支える部品を机の脚に使用している

同プロジェクトは学生8人で運営される。佐藤空美さん(3年)は「これから知ってもらって、絵本のある第2の家みたいにくつろいでもらえたら」と笑顔を見せ、神野怜さん(3年)は「小さな子をもつ親子や高齢者など、いろんな世代の方の交流の場になったら」と期待を込めて話す。同プロジェクトリーダーである市原大輝さん(修士課程1年)は「現在は地域との付き合いが希薄に感じます。この絵本サロンが地域の拠点となる場所になったらうれしいです。また、社会全体でこういう活動が普及していけたら」と熱い思いを語った。

左から名城大学理工学部建築学科の佐藤空美さん、同プロジェクトリーダー市原大輝さん、神野怜さん、谷田真准教授

「一つ山荘絵本サロン105」は4月から不定期に稼働する。開所の予定などはインスタグラム「@hitotsuyama_105」で確認できる。
お気に入りの絵本を探したり、親子でのんびりと過ごせる空間になっており、これから他の部屋やベランダなども整備される予定だ。

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